郵便局に物申す
先日ロンドンで少しばかりお世話になった女性から
パートナーが急逝したと連絡があった。
そのパートナーの男性が日本オタクで私も短い時間ではあったがお世話になった人だった。
彼女本人も心労がたたり身体を壊して母国に帰って入院中だったが退院して療養中とのことだった。
つたない英語で
「彼は日本のカレー味のカップラーメンと抹茶チョコレートが好きだったけど、私は興味がなくて食べたことがない、一緒に食べれなかったことが心残りで、うちの国では日本食を探すのが難しいから、もし迷惑じゃなければでいいんだけど、送ってもらう事ってできる?」
こんなの、速攻で送るに決まっている。
カップラーメンたち、抹茶チョコレートたち、そしてポストカードにメッセージを添えて、段ボールを用意し、早速郵便局に持っていく。
危険物などが入っていないかのチェックシートへの記入、
中身ひとつひとつの詳細と、値段を書く紙への記入、
宛名連絡先云々の記入。
ここまでは過去にもやったことがあるし、楽勝だ。
特に問題になったこともない。
全てのチェックと記載が終了した所で、
「ちょっと待ってください、最終確認をします」
しばらく待たされた後、局員さんが
宛先の国の禁制品リストをプリントアウトをしたものと
私の郵便物とをにらめっこし始めた。
局員「まずこのポストカードというのは何が書かれたものでしょうか?」
おまつ「簡単なメッセージです」
局員「何々様へ、という見出しが入っていますか?」
おまつ「いえ、健康を祈っていますみたいな簡単な文章です」←この時点でめんどくさい予感がしたのでやや態度が悪くなる
局員「お見舞い文みたいな感じですか?」
おまつ「はい、そうです」
局員「そうしますと信書にあたる可能性があるので、この箱とは別に送ってもらう必要があります」
おまつ「…………はい……」
(んんん?!信書にあたる可能性?!!!!!このひと信書の定義を知ってるのかな?!!??!?まあいいけどそうだとしても箱にテープする前に言って欲しかったなあ!!!という気持ちを抑えながら)
局員「次にカップラーメンですが、生肉は送れない事になっているんですよね。生肉には該当しないとは思いますが、原材料の確認とかはしましたか?」
おまつ「………………はい……」
(いらいら…そわそわ…いらいら…この人は何語を喋っているのかなあ……)
局員「そしてチョコレートですが、このチョコレートに乳製品が使われてますかね?」
おまつ「……………」
(いらいら…そわそわ…いらいら…)
局員「牛乳と乳製品も禁制品なんですよね。原材料に使われているのであれば破棄される可能性もありますね。あ、それとハチの巣とはちみつも禁制品になってますね。材料にはちみつが入っているかは確認されましたか?」
おまつ「……………………」
(牛乳や乳製品とチョコレートは別物だろうが!!!!乳製品ってチーズとかヨーグルトとかの事だろ!!!!
誰が税関で細かい原材料のチェックまでするんだよ、
税関職員全員が世界中の言語を読めて全ての原材料を細かくチェックしてこれはダメだで破棄してるとでも思ってるの?
つうかそもそもどうして禁制品になっているのかを考えろ!!!疫病とかウイルスの侵入を防いだり国の経済的な損失とかそういうことだろ!!!!!
既製品のカップラーメンとチョコレートなんて税関様も許してくれるっつーの!!
そもそもあなたの仕事は必要書類に不備がないかでここで万が一の税関で破棄される可能性をお伝えすることじゃねえ!!!
こんなもん優しさでもなんでもねええええ!!!!
書類に不備がないのなら、これがダメでこれが大丈夫というのは税関職員が決める事であってあなたにその権限はねえええええ!!!!
もしも税関で破棄されても私は郵便局を責めたりしないのにいいいい!!!
なんならどうしてこれを送りたいかのこっち側の事情も説明までしてやりたいいいい!!!
という怒りに支配されて言葉を失う)
局員「もう一度、原材料の確認とかをしてから来ていただけますか?」
おまつ「大丈夫だと思うんですけどね」
局員「万が一送れずに破棄されるという可能性もありますので」
おまつ「その手に持ってる禁制品リスト、見せてもらえます?」
(おまつリストを入念に確認)
局員「はい、どうぞ」
おまつ「ポストカードは別で送るとしても、やっぱり問題ないと思います」
局員「いやあ…万が一破棄されても困りますしね…もう一度よく確認していただいてから再度来ていただく形の方が安心かと思います」
おまつ「……………」
(万が一の話ばっかりするんじゃねえ!!私は9999の大丈夫な方を信じたいんだ!!そしてそれを決めるのは税関職員なんだぁぁっ!!と思いながらもこの人とは分かり合える気がしなくなり一切の戦意喪失)
おまつ「……とりあえずこのリスト、いただけますか?」
局員「どうぞ」
おまつ「…では、お手数おかけしました。また来ます」←おとな!!!!違う郵便局行くけどな!!
局員「はい、その方がよろしいかと…ではまた(にっこり)」
おまつの「いや、いける!」VS局員さんの「万が一!」の押し問答はかなり省略して
ここに記したものの、
こうして郵便局を後にした私。
しっかし、郵便局ってこれ系のカタブツが異様に多い気がするのは気のせいだろうか。
今思えば、赤字で書いた部分を丁寧かつ慎重な言い方で伝えれば
きっと送れたはずである。
もやもやで支配された私はその術を知らなかった。
私が成熟した人間になるのはまだ先のようだ。
というわけでごめんねGさん、どうしたら良いかわからないから
もう少し待っててえええ
(´;ω;`)